性欲とSEXの技術は、明確に反比例する。
アダム先生は、男性のオーガズムを射精におく独りよがりなSEXではなく、相手がよがり狂って絶頂を迎えることをオーガズムとする理論、通称スローセックスを体系立てた。
それはSEXに対する考え方だけでなく、具体的なSEXの流れやその中で使う技術にまで落とし込まれている。
これはもう、本当に素晴らしく、知るだけでSEXの技術(女性を満たすこと)は上がる。
が、短期的だ。
これを本当の意味で実践するために必要なことが、冒頭に書いたものだ。
性欲とSEXの技術は反比例する。
SEXの目的を『性欲の処理』ではなく『コミュニケーション』に置くことで、SEXの技術は上がるし、持続する。
ほとんどの男は、すべからくSEXの目的を性欲の処理に置いてるし、それに加えて『支配欲』とか『優越感』にも目的を置いてる。
もちろん、無意識に。
この男が持つSEX感は、現代社会の中においては、だれも逃れることはできないと、ジェンダー学の権威、東大の上野先生は言う。
個人の生い立ちによるものではなく、男女にまつわる社会環境がその現実を生み出している。
もしそこに付け加えるとすれば、それは、男性にとってのSEXの教科書がAVしかないことも大きく影響してると思う。
ほとんどのAVは男性向け。
当然、男性の性欲や支配欲を満たすために作られている。
その結果、『激しくすれば』あるいは『支配すれば』、女性は喜ぶ、という誤った前提が、ほぼ全ての日本男性の中で成り立っている。
だから日本は世界で稀にみるセックスレス大国なのだ。
アダム先生は、男性の独りよがりなSEXを、前戯もなしに挿入してパパッと射精するまでの工程の短さから、ジャンクSEXと呼ぶ。
アダム先生のスローセックスは、ジャンクSEXを何の疑いもなく繰り返してきた男性に深い気づきを与える。
また、いくらスローセックスを頭で理解したところで、それは短期的な技術の向上に過ぎない。
本質的には、性欲をある程度理性でコントロールし、自分ではなくもっと気持ちよくしてあげたいという無償の愛がなければ、これを継続してパートナーに実践することは出来ないし、アダム先生の言うとおり、SEXとはお互いに高め合っていくべきだし、男女の大事なコミュニケーションツールだと位置付けるべきだ。
アダム先生は、自身の経験から、愛あるSEXとはどういうものかをまとめることで、SEXに対する新たな概念と希望を持たせてくれた。
上野先生は、社会学者の立場から、なぜ現代の日本が愛のないSEXで溢れているのかをまとめることで、なぜ自分もそうなのかを理解させてくれた。
フロムは、愛あるSEXをするためには、人間としての成熟が必要だということ。また、そのために必要な条件とトレーニングをまとめてくれた。
3人はそれぞれ違った視点からSEXを捉えているが、本質にあるものはおそらく似通っている。
正しくSEXを理解し、関係性を築いていくためには、これらを一本化して、だれでもわかりやすくする必要がある。
SEXを学ぶっていうと、変な捉え方されることしかないけど、
SEXという人生において大事で重要なことについて、学ばないほうがよっぽど変だと思う。
近く、SEXを学べる動画メディアを作ろう。
性ビジネスはその欲求の強さから、金儲けの対象にしか使われないが、おれが変える。
性を学ぶ文化を作れたら、日本は確実にもっと豊かな国になる。はず。