ウシジマくんを全巻読む。
村上春樹の小説の同じく
何度めかのトライでやっと読めた。
結論、むちゃおもろかった。
闇金をしてるウシジマくんが中心の話やけど、闇金にお金を借りに来る人の背景とか心情とか人間関係とか、いろんなパターンで描かれてる。
人生を損得で生きる人たち。
それはでも、ある程度しゃーない。
金持ちに生まれるか、貧乏に生まれるか、そのどちらであっても極端な損得勘定の価値観を持ち、そしてどちらも底なしの欲望を持つ。
損得勘定で生きてる人たちは、足るを知るという発想が持ちえない。相対評価の中で生きてるから、どこまでいっても本当の意味で満たされることなどない。
ウシジマくんの登場人物の中で、
竹本くんって友達だけが唯一、愛を謳う。
「損得で生きるのは悲しいよ」
「無償でなにかを与えようよ」
「人はいつか変われるよ」と。
竹本くんはその愛ある生き方をした結果、ウシジマくんに型にはめられるけど、その後にウシジマくんがはじめて悲しむ描写があって、
ラスト。
ウシジマくんが沖縄に飛んだときに初めて人を損得で測らず、人を許すシーンがでてくる。
作者すげーなって思った
絶対、そこを意図して設計してると思う。
作者はたぶん自分自身が損得勘定の塊みたいな人間で、ほんまリアルな竹本くんみたいな友達がおったんやろな。
じゃないとこんな伏線回収できんと思う。
いやーええ漫画や。
ちゃんと設計されてる漫画はいいな。