谷川俊太郎さんの詩を読んだ。
19歳で書いた詩集と、
70歳以降で書いた詩集を2冊。
19歳の詩集は
独特の世界の捉え方を
感覚的な言葉で表現してて、
星とか宇宙とかのスケールで
若くてエネルギーに溢れてて
元気やなぁー
若いなぁー
と思った。
70歳以降の詩集には、
若さとエネルギーはなかったけど
感覚的な世界の捉え方は変わらずで。
ずっと詩人として生きてきて
深い汚れのなさ、みたいなものを感じた。
それがハウルのこの詩に
出てるんやと思う。
世界の約束
涙の奥にゆらぐほほえみは
時の始めからの世界の約束
いまは一人でも二人の昨日から
今日は生まれきらめく
初めて会った日のように
思い出のうちにあなたはいない
そよかぜとなって頬に触れてくる
木漏れ日の午後の別れのあとも
決して終わらない世界の約束
いまは一人でも明日は限りない
あなたが教えてくれた
夜にひそむやさしさ
思い出のうちにあなたはいない
せせらぎの歌にこの空の色に
花の香にいつまでも生きて
谷川俊太郎の詩を読むのは
ちょっとしんどかった。
世界の捉え方が感覚的すぎて
言葉がスッと入ってこないから。
比較すれば
谷川さんのほうが
感覚的で抽象的なんやろな。
おれは直接的で具体的や。
SEOのライティングは
わかりやすさが正義やから
感覚的な言葉は不要で。
でもわかりやすさの言葉は
抽象度が低くて情緒的でない。
世界観をつくるためには
谷川さんほど抽象的でなくても
こういう言葉が必要だと思う。
だからたぶん
歌手くらいがちょうどいい。
改めて歌手の言葉選びを
学ぼうと思えた。
ただ、
わかりやすさを追求する言葉は
もう極地にいるんやと思う。
それくらいの自負はある。
次のステージに進むために
新しい言葉という武器を。
谷川さんは、
19歳の頃からきっとずっと
この感覚のまま生きてきてる。
もちろん多少の変化はあれど、
ものすごく稀有な存在だろう。
谷川さんとは道が違うから
晩年にまた読んでみたいと思う。
今より言葉は入るだろうな。
師事することはないにしても
きっと自分が無意識のうちに
この人の言葉に触れてるはず。
ありがたいなーと思う。
きっといい人生だったろうな。
35歳前後で書いた詩も
読んでみたいとは思うけど、
きっと同じ世界観だろう。
シンプルで一貫してて
だからこそいいと思う。
良かれ悪かれ、
一貫性のある人間は信頼に足る。
気づきに感謝して。