幻冬者の見城さんの本を読んでいる。
『たった一人の熱狂』を。
同じタイミングで
バガボンドを全巻読んだ。
天下無双とは
バガボンドで言うならば
伊藤一刀斎のこと。
見城さんは
まんま伊藤一刀斎だと思った。
伊藤一刀斎が剣を極めた人ならば
見城さんは
資本主義での闘い方を
極めた一人だと思う。
見城さんはすごい。
それは疑う余地もなく。
仕事に向き合うスタンスは
強く共感はする。
これぐらいやらんと
自分のやりたいことなんて
できるわけがない。
資本主義をなめんな。
競争社会をなめんな。
ほんまに。
でもそんなことを思うと同時に
この人は弱いんやろな
とも思う。
勝手な想像を言えば
心から信頼できる友達は
ひとりもいないんじゃないかな。
それはきっと
家族であってもそうなんだろう。
心のどこかできっと
誰のことも信じていない。
すべての言葉から
損得勘定を感じるし
この本の感想を一言で言えば
『おれすごいやろ』
が詰まった本だ。
『おれ』
という我欲に溢れてて
『おれ』
だけが信じられる
みたいな前提が前面に出てる。
おれがおれが
おれがおれが
おれがおれが
おれがおれが
おれがおれが
おれがおれが
おれがおれが
おれがおれが
おれがおれが
おれがおれが
おれがおれが
おれがおれが
言葉のすべてが
『おれが』
からはじまるひとで
すごい人は見たことがない。
それは世間で評価されてることと
全く別次元の話だ。
まぁでもゆーても
これくらいが大学生には
いい刺激になるとも思うし
読んでおくべき本ではある。
ただ個人的に、
人としての生き方や在り方
の部分が自分とは違うと思うだけの話。
今どうか
ではなくて
『こう在りたい』
という理想の姿、
大きな、人生の方向性、についてだ。
バガボンドを
久しぶりに読んで
魂が震える。
井上雄彦さんは
バガボンドを書いてない。
あの世界に入って
キャラクターに入り込んで
筆が走るままに描く。
そんなこと
誰もできやしない。
というよりも
やろうとしない。
心を開けば開くほど
刺されることは増える。
だから心を開こうとすれば
それと同時に
心を育てないといけない。
そうじゃないと
心が壊れる。
漫画の中の世界は
井上さんしか想像できない。
誰に相談もできないし
相談しても意味がない。
その孤独な
創造の時間を想像する。
この人は
なんて愛のある人だろうか。
この人は
なんて強い人だろうか。
バガボンドのワンシーンで
『弱さを経ていない強さはない』
という言葉が出てくる。
ほんとうにそう思う。
強い人なんて一人もいない。
強く見える人は
強く生きようと努めてる人だ。
だから強い人はみな
優しい。
井上雄彦さんを
心から尊敬する。
手塚治虫 93歳
宮崎駿 81歳
片岡鶴太郎 67歳
井上雄彦 55歳
みんな大尊敬する。
みんなみんな
石舟斎だし胤栄だ。
なにか一つのことを
一つの表現を極めることで
世界の
人生の
命の
魂の
本質に触れる。
だから
表現方法やツールは違っても
たどり着くところは同じ。
『おれ』
なんてものは本来ない。
人間の本質は
宇宙の、地球の、天の
一部でしかない。
だから天地と一つ。
ほんとうにそう思う。
ただ難しいのは
こういう感覚が
感覚としてわかるようになるには
きっと簡単なことではない。
誰もがこういう感覚を持てたり
そもそも持とうとしても
辿り着けるわけでもない。
だし
辿り着かなくてもいい。
そもそも現代社会で
こんな感覚を持ってしまえば
たちまち生きづらくなる。
その捉え方が変われば
世界のすべての解釈が
根本から違ってくるからだ。
たとえ自分の生き方が
孤独な道であったとしても
一度気づいたものは
もう変えることはできない。
いつの日か
井上雄彦さんとも
対話してみたいと思う。
きっとそんな機会はないし
作らなくてもいいんやけど。
それはだって
井上雄彦さんの漫画の
カット割とかぽーずとか
キャラの表情とか
なんかそーゆー
漫画の中の表現すべてが
井上雄彦さんそのものなんやから。
アニメを通して
漫画を通して
絵を通して
その人と対話ができる。
なるほど。
絵も漫画も音楽も
世界にある表現すべてが
そうやって楽しむものなのか。
理解した。
こんな簡単なことも
まだはじめて理解するレベルだ。
クリエイターとして
まだまだこれから。
おれは
というか
『おれは』
の時点で
やっぱり我があるなぁ笑
そういうものを手放したい。
『今』の積み重ねなんだから。
過去を抱えて
未来を抱いて
『今この瞬間』を生きる。
すべては今のために存在するのか。
なるほどなぁ。
井上雄彦さんカッケェ、、
『おれは』
『おれが』
をほんとの意味で手放せたとき
おれはきっとまた大きく成長する。
やっぱり、おれは、だ笑
強くなろう。
もっと強く。
もっと優しく。
優しさと甘えは違う。
おれはどこまでも強く
どこまでも優しくて
そしてちょっとだけ
厳しい人になりたい。
おれがそう在りたいのではなく
すごいと思う師匠たちの
共通点がそうだからだ。
バガボンドの中で
井上雄彦さんが描いた世界観や
紡いだ言葉の数々が
自分の中に根付いてる。
それはとても嬉しいこと。
おれはクリエイターとして
ようやくスタートラインに立った。
もっと作りたい。
作る中でもっと
師匠たちの見てる世界を見たい。
がんばろう。
今日も今日とて全力で。