小さな星がほらひとつ

エレベーターの話

急速に、おそらく日本の中でトップクラスのスピードで「家族」への階段を駆け上がっている。

 

会って3週間、まだ会うのは4回目くらい。

 

むしろ階段は上がってない。

 

エレベーターで一気に最上階まで行った上で、そこからの景色で相手を知っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

一般的な恋愛のプロセスは、

 

出会って

デートして、

距離近くなって、

付き合うだとかエッチして、

デートして、

関係性が深めて、

将来のこと考え出して、

プロポーズして、

婚約期間があって、

入籍して、

結婚式して、

ふたりでいろんなところ行って、

関係性深めて思い出作って、

子供でもつくるかーつって、

できて生まれて、

育てて、

いろいろ環境が変わって、

がんばってふたりで生きてく。

 

みたいなさ、そういうことで、

それが階段やとするならば、

やっぱり今のおれは一気にエレベーターで上がってる。

 

 

 

 

 

 

仲良しの後輩が、子供ができたから結婚すると言ってた。

 

それでもいろんな見方があるけど、まだ一般的な気がする。

 

2人の関係性があって、そこに命が宿る。

 

それはそれで一般的な恋愛からすると何段か飛ばしてるやろうけど、

 

改めて考えてみると、おれのほうがすっとばし方はハンパない。

 

それはでもまぁ、どうでもいいっちゃどうでもいいことではある。

 

そういう時期がくるのは遅かれ早かれの話やから。

 

でも階段を一段一段上がることでしか見えない景色もきっとあって、

 

それが見れないって思うと、それはなんつーか、すごく、悔しい。

 

 

 

 

 

 

 

見るはずだった階段からの景色を確かめるように、

 

おれは彼女を子育てを通して見る。

 

愛情の注ぎ方

声のかけかた

言葉選び

関わりかた

わがままへの対応

スキンシップ

連絡ノートのやりとり

朝食のチョイス

眠さへの見極め

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうか

おれは嫉妬してるのかもしれない。

 

おれがまだ知らない景色を先に知っている存在に対して。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そういうのが見えてしまう自分を、

 

優しいなぁとも思うし、

繊細やなぁとも思うし、

まだまだやなぁとも思うし、

そんな人間くさい知らない一面がまだあったかとも思う。

 

そうやっておれは地球からしたら価値のない命に価値を今日も見出していく。

 

なんとなく、久しぶりに腹一杯食いたい。

 

何食おうかな。

味の濃いもんが食いてぇな。