大手やベンチャーがこぞって参戦しているのを見てわかるように、
恋愛における、最大の顕在ニーズは『出会いがない』である。
これはシンプルに出会う機会がない場合もあるが、
多くは出会いがあっても、結婚するに値する異性との出会いがない。
もしくは、本質的には、出会う勇気がない、ことである。
婚活市場が盛り上がり、ティンダーが世界的に出会いの機会をつくり、日本でもSNSを通した出会いが、
徐々にであるが認められつつある。
かのように見えるが、実際は日本は世界に比べてそうでない。
アムウェイに代表されるネットワークビジネスへの偏見がなくならないのと同じように、
男女の差別がなくならないのと同じように、
ネットでの出会いや、婚活での出会いに対する偏見は、
社会的に良くないものだ、という目的のない前提が、
日本人の正しさや、価値判断基準をつくる。
ようは、いくらネットでの出会いが普及しても、偏見はまだまだ続くというのが、幸介の見解だ。
いま本当に必要なことは、出会いを目的にしない出会いの場。
しかも、男女がなにか同じ体験をして、ある程度素の自分が出るような場をもっとつくりたい。
ただ、今までコミュニティをいくつか運営してきた経験として、
最も重要なことは、ホストとなる人間の動機と、その人への信頼である。
一番いいのはランニング。
準備がまずいらず、参加の垣根も低い。
ストレッチと同じや。
やる気さえあれば、お金もかからん。
ホストは、アシックスとナイキの社員、あとはライフパートナーズの社員でまわす。
関東の主要な駅で、週に4回ほど開催する。
日本一のランニングコミュニティ。
ランニングのコミュニティサイトはあるが、個人運営のものしかない。
ホストも、自由に集め、自由に解散する。
そうでなく定期的に参加できるコミュニティをつくる。
自然な出会いを創出する。
コミュニティの参加者からお金はとるのか?
それはとれるな。
月額制にしよう。
その代わり、どこのランニングコミュニティに参加してもいい。
月額500円くらいで、ランニングの着替え施設も使えるようにする。
ランナー同士がつながる。
そこにまたひとが入り、
ライフパートナーズの社会的な知名度の向上につなげる。
いい。
アイデアとしてはいい。
志や目的ありきでしか思いつかんと、我ながら感心すると同時に、
形にせななんの価値もないと思う。
頭の中にあるうちは全部傑作や。
こっから詰める。
詰める詰める詰める。
いまいい。
毎日詰めてる。
おれは歩みが早いわけでない。
でも前に見た化石ハンターのように、一歩ずつ、毎日着実にゴールに向かう。
とりあえずいまから走りに行く。
頭が走るときは心も走る。
ついでに体も走らせてくる。
走りたくなるとき。
それは幸介の小さな転換期。
くすぶってたものがスタートする予感。
おれはこの感覚を知ってる。
あとはうまく、自分をこの波に乗せる。