最近考えていることは、起こす会社の大枠の方向性である。
具体的にいうと、上場を目指すのか非上場でいくのか、という大枠についてだ。
ちょうどDeNAの南場智子さんが書いた『不恰好経営』を読み直した。
この本は、出版されたタイミングで縁があり読んだが、そのときはあまり心の琴線に触れるものはなかった。
でも今回読み直して、自分のステージというか、視野の広さと視座の高さが、本の内容を理解するだけではなく、自分ごととして捉えて読めたことで、かなり琴線に触れた。
特に琴線に触れたのは、社員の離職に対する言及をした次の一文。
『組織に属さず、プロジェクト単位でゆるやかに繋がっている元社員もいる。会社と個人の関係はそんなに固定的でなくてもいいのかなと思う。帰属より、信頼関係と仕事の質が大切だ。』
まったく、その通りだと思う。
前職では企業に対する帰属意識を高めることに尽力していたが、それは時代に逆行していると思う。
南場さんは社員が会社を離れることを応援する。
会社内の役職は、人としての価値を測る基準ではなく、役割の違いだと言う。そして出戻りの社員でさえ、暖かく歓迎する。
まったくこれにも共感する。
社員は会社の利益のために存在しているのではない。
経営に正しさなんてないのだろう。
でも経営の主な目的に、社員の幸福を含めるのであれば、
時代によって変わる『幸福の定義』に合わせた仕組みを整えなければならない。
本当に優秀な人材が帰属意識を持っておきたいと思える環境をつくり、時代に合わせて調整し続けること。
それが重要。
企業は人なり。
人間を科学し、あらゆる価値観を持つ人が幸せになれる組織をつくることが、もっとも重要な戦略である。
で、話を戻すと上場の必要性は感じていない。
目指すのはサントリーのような、非上場にも関わらず、上場してるかのような影響力のある会社だ。
もう少し情報はいるけど、当面はその方向で戦略を立てていく。