小さな星がほらひとつ

とりとめなく、ただ汚い話

恐い
恐い
恐い
恐い
恐い

愛しくて恐い

なるようにしかならないのに、頭ではわかっているつもりなのに、

恐い、死ぬほど

死ぬほど恐いんや。

自分の好きな人に受け入れてもらえないかもしれないだけやのに。
否定されたわけじゃないのに恐い。

おれは恐がりやなぁ。

と自分の中でおどけてみても、隠くことなんて出来ない、弱い自分。

こんなに恐い思いするくらいなら、もう人なんて好きにならないとほんまに思う。

ここまで恐いのはやっぱり過去の恋愛のおかげか。

自分が悪いとわかっていても、夜通し土下座して謝り続けたあの景色が、マウントとられてアイロンをかかげられたあの景色が、ソファーを挟んで包丁を突きつけられたあの景色が、イメージが、鮮明に頭にこべりついて離れない。

それでも離れることが出来なかった。
依存し合ってたから。

そのときはなにが正しい選択かなんてわからん。
事後対応の選択理論は、今思うと、ただの言葉のレイプ。
ああ、ほんまにひどすぎるわ、おれは。おれという人間は。おれという男は。

ケンカして、収拾がつかずに、幼馴染にも、おれの両親にも仲裁に入ってもらった。

二人ではもう、解決することが出来ないレベルになってたんや。
同棲までしてたのに、一緒になる勇気なんてなかった。
弱虫。死ねばいいのに。

おれは、だから自分が悪いのに、深く、傷ついてたんやと、今になって確信したんや。

この恐さの感覚は、そういう類いの根深さ。

心の奥で、人を信じたらダメだよ、と自分を守る自分が邪魔をする。
いつ愛しい人の心が離れても、傷つかないようにするために。

いざというときは、
『ほらねっやっぱりこうなった』
そう自分に言い聞かせるためだけの保険。
自分を守るためだけの保険。
自分を守るためだけ。

クソかっこ悪い。
クソ醜いおれの心。

ああ。
朝から泣くなよ。お前さぁ。
頭がおかしくなりそうや。

でもなにより、今更それに気づいたおれよりも、おれを信頼してくれてたあの子を裏切り、きっと今のおれ以上に傷つき、恐がりになってしまった彼女を思うと、心の底から謝りたい。

謝ることがエゴやとわかってても、おれは大変なことをしてしまったと、今この瞬間に初めて自覚する。

ああ
ごめんなさい
ごめんなさい
ごめんなさい
ごめんなさい
ごめんなさい

夜通し土下座でもなんでもする。
おれは結局、彼女との関係をなにも解決せずに生きてる。

心の奥にあるブレーキは彼女なのかもしれない。いや、彼女を愛した自分か。

すげー情けないよー
おれにどれだけの価値があるっちゅーねん?

これだけ深く人を傷つけて、人を好きになる権利なんてあるのか?
受け入れてほしいなんて、言える権利があるのか?

返事を見るのが恐い
まだアカンて言われたわけじゃないのに。
恐い。

受け入れてもらえない気がする。
かつて愛してくれた彼女を、自分の手で人間不信になっていく様を側で完成するまで見続けたお前を。

過去を含めて全て受け入れてくれる人なんてこの世におるんやろうか。

そんな過去を正直に話したらきっと、あの人も離れていくよ。
嫌んなるよ。きっと。

おれは、恋多き男やけど、でもそれは、裏返せば探してるだけやって気づいたよもう。
こんな汚いお前を、汚さを含めて愛してくれる人を。
血もつながってないのに、無償で愛してくれる他人を。

だから自分勝手な愛をふりまく。
女性のほうが偉いという考えの出処はここにあった。
醜い感情から来てるんやな。

相手のためとかゆー建前で、ほんまは全部、自分のためにしてんのにな。
ほんま汚いなぁ、おれ。

もう彼女のことがほんまに、好きなのか、自分に価値があるのか確かめたいのか、おれにはわからんのや。

そんな醜い形の好きでもいいんかな?
あの人は受け入れてくれるかな?

母さん、きれいに産んでくれたのにごめんね。
故郷から離れた東京の地で、おれはみごとに人間臭く歪んでるよ。

ああ!
でもやっぱり会いたい!笑
この先、どうなるかなんかわからんけど、ただ会いたい。

どうか多重人格気質で歪な形の愛情を持った僕を、受け入れてくださいますように。