小さな星がほらひとつ

自分と対話する話

久しぶりに重い風邪をひいて、寝込む。

 
東京に出てきてはや2年、寝込んだのはこれで二度目。
 
一人暮らしで寝込んでるのに、買い物やら洗濯やら全部せなあかんっつーのは、これはもうほんま、孤独で地獄。
それは全国で孤独死をしてしまう、名前も知らないじいちゃんばあちゃんに想いを馳せてしまうほどに。
 
でもこういう重い風邪のときって、他になにをする気力も起きひんから、自分の声に耳を傾けようと必死にがんばる。
 
おい幸介、なにが食べたい?
甘いもんか、辛いもんか?
量はどれくらいいける?  
 
おい幸介、どんな姿勢が寝やすい?
仰向け、うつ伏せ、右向き、左向き?
ちょっと腰痛いか?
鼻つまってるか?
 
おい幸介、なにして療養する?
漫画、小説、雑誌、テレビ?
借りるか?買うか? とか
 
こういう自分の心の声に耳を傾ける行為を『自分との対話』と呼ぶ。
いま名付けた。笑
 
まぁでもこれは、自分を大切にするために普段から意識してるんやけども、普段の元気なコンディションなら、ぶっちゃけどんな選択肢を選んだとしても包括して受け入れてしまうわけ。
 
でも今回みたいに重い風邪ひいて、心も身体も弱りきってるときはそんなわけにはいかんよ。
もうそれは、いままで27年間ずーーーっと一緒に過ごしてきたのがまるで嘘のように、一気に繊細になりはるから。
 
それこそ今回もうまく自分と対話しきれずに、すぐ食べようと思って買った100グラムのヨーグルトが、食べられへんかったもんね。
100グラムのヨーグルトて、普段の元気なときなら、どれだけ腹いっぱいでも食べられるで。
 
でも無理なもんは無理なんやな。食べたいと思って買ったのに、一口も食べたくない、そんなことが平気で起こるのが風邪の恐ろしさでしょうか。
 
 
 
 
でもふと疑問に思った。
いつも元気なときにしてる自分との対話は、ほんまに対話になってたんやろかと。
 
もしかすると対話してるふりをしてるんちゃうやろか。
というのは、この疑問が挙がった時点で気づいてるんやけど。笑
 
とにかく、もうやめる。
自分と対話するふりは終わりにしよう。
 
もっと真剣に自分との対話を始めよう。
風邪は恐ろしくもあるが、もっと自分を大切にしよろという、心の叫びの投影なのかもしれない。